都市部に在住する高齢者を対象に,閉じこもりの出現率および住環境を主とした閉じこもりの関連要因を明らかにすることを目的とした.閉じこもりの定義は「外出頻度が週1回未満」とした.東京都内A区在住の65歳以上高齢者39,405人から無作為法により1万人を抽出し,郵送調査を実施した.分析対象者は要介護認定者を除く3,592人であった.分析の結果,閉じこもりの出現率は8.0%(男性9.6%,女性6.8%)であった.多重ロジスティック回帰分析の結果,男女共に,生活体力指標(低い),自己効力感(低い)との関連が認められた.さらに男性では,昼間和室ですごす,寝室と玄関が同一階にない,との関連が認められた.先行研究と比して,閉じこもりの出現率は低い状況であったが,調査応答者のかたよりの影響が示唆された.和室での生活が主であるといった住環境と閉じこもりの関連が男性のみで示された.