ケアハウス内で,身体活動増進を目的とした体操教室が開かれているが,参加する居住者は限られている.本研究は,体操プログラムの開発と参加人数の推移および参加者と非参加者の事例を通して,居住者の参加の動機と促進要因を検討し,体操教室参加者の増加を目的に改善を試みた事例を報告する.対象者はCケアハウス居住者80人であった.そのうち体操の参加者は45人,非参加者は33人だった.
体操プログラムの参加者数は有意に増加の傾向を示した.その理由として本プログラムの特徴は,集団で行う教室型プログラムであり,虚弱高齢者も可能な立位と座位で行う内容であったため,虚弱高齢者の多い当該施設で居住者が参加しやすいためであったと思われる.参加への動機は,指導方法やプログラムの特徴に動機づけられる傾向が示された.また,虚弱高齢者の場合,運動実践が“楽であること”を示すプログラム内容のほうが,参加しやすい傾向が示された.