老年社会科学
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資料論文
集会所を利用したミニ・ディサービスが地域在宅高齢者の健康およびQOLに与える影響
島貫 秀樹梅津 梢恵本田 春彦伊藤 常久河西 敏幸高戸 仁郎荒山 直子坂本 譲植木 章三芳賀 博
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2010 年 31 巻 4 号 p. 492-500

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抄録

 本研究は,地域の集会所を利用したミニ・ディサービスが地域在宅高齢者の健康およびQOLに与える影響について,4年間の縦断データを基に参加継続者と不参加者との比較によって明らかにすることを目的とした.

 宮城県三本木町に在住する75歳以上の地域在宅高齢者にアンケート調査を実施した.分析対象者は,初回調査(2000年)および追跡調査(2003年)のアンケート完了者において,2000〜2003年度のミニ・ディサービスに,各年度少なくとも5回参加した者を「継続参加者(87人)」,各年度1回も参加しなかった者を「不参加者(90人)」として分析した.継続参加による健康およびQOL指標への影響をみる目的で一般線形モデルを用いて分析を行った.その結果,身体機能の維持・向上に対する効果はみられなかったが,健康度自己評価(p=0.017),日常生活動作に対する自己効力感(p=0.085)は,ミニ・ディサービス継続参加者が向上し,不参加者が低下するパターンが示された.地域の集会所を利用したミニ・ディサービスへの継続参加は地域在宅高齢者の主観的健康に好影響を与えることが示唆された.

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© 2010 日本老年社会科学会
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