2011 年 33 巻 3 号 p. 417-425
本研究では,運動を実施している中・高齢者を対象として,運動実践を阻害するハイリスク状況とその対処方略,およびセルフ・エフィカシーとの関連について検討することを目的とした.211人の中・高齢者を対象として,ハイリスク状況およびその認知的・行動的対処方略に関する自由記述,またセルフ・エフィカシーの測定を含む質問紙調査を実施した.その結果,ハイリスク状況としてもっとも多く挙げられたものは「悪天候」であり,ついで「体調不良・怪我」「疲労」と続いた.また,認知的・行動的対処方略いずれについても,その内容は先行研究とおおむね一致していた.ハイリスク状況に対して肯定的な対処を実施している者は,否定的な対処を用いている者と比較して有意にその後に運動を実践した割合が高く,セルフ・エフィカシー得点も高かった.今後は本研究の知見に基づき,運動停止の予防に焦点を当てた研究が進められるべきである.