2016 年 37 巻 4 号 p. 417-427
高齢者の視覚機能と活動性との関連を明らかにするために,地域活動に参加している高齢者の視力および視覚補助具の使用状況,活動性について分析した.2013年7月,愛知県N市S区の地域健康づくりなどに参加している141人に依頼し,72人(51.1%)より回答を得た.遠見・近見視力0.5を基準とした2群と視覚補助具の使用状況による4群に分け,ADL,生活不自由感,IADL,転倒を従属変数とした比較を行った.結果,日常生活視力では,遠見視力は平均0.63±0.29,近見視力は0.44±0.21であった.近見視力の2群は,視覚補助具や読字,歩行に有意差があった(p < .05).視覚補助具の使用状況による4群は,近見視力と生活不自由感に有意差があった(p <.05).近見視力と歩行や読字を含めた生活不自由感に関連が認められた.これらのことより,遠見視力は0.7程度,近見視力も0.5程度に維持矯正し,輻湊のバランスを抑えることが,不自由をさほど感じることなく生活が送れる可能性が示唆された.