老年社会科学
Online ISSN : 2435-1717
Print ISSN : 0388-2446
原著論文
アクションリサーチによる地域高齢者の社会参加促進型ヘルスプロモーション・プログラムのプロセス
佐藤 美由紀齊藤 恭平若山 好美芳賀 博
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2016 年 38 巻 1 号 p. 3-20

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抄録

 本研究の目的は,地域社会における高齢者の役割を見直すことにより社会参加を促進するヘルスプロモーション・プログラムにおける地域課題の解決に向けた住民の意識と行動の変化の過程を明らかにすることである.研究はアクションリサーチの手法により実施した.札幌市近郊の一地区において,住民を対象とした参加型ワークショップ等を実施し,ラジオ体操,公園清掃ボランティア等が住民主体により創出された.フィールドノート,インタビュー逐語録等の多様なデータを質的記述的方法により分析した.住民の変化は,【義務的参加とアンビバレントな気持ち(第一段階)】から始まり【課題解決の方向性に対する合意形成とコアメンバーの選出(第4段階)】を経て【コアメンバーの組織化と自治会との協働(第8段階)】までの8つの段階をたどった.このような8つの段階の推移が抽出されたことにより,高齢者が主体的に地域課題の解決に取り組む様相が明らかになった.

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© 2016 日本老年社会科学会
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