2016 年 38 巻 1 号 p. 45-56
本稿の目的は,高齢女性のきょうだい(兄弟姉妹)関係に影響を及ぼす要因を明らかにすることである.岡山県の県北にある山村で高齢女性に調査を2006年に実施した.そのデータを分析から,次の4点を明らかにした.①きょうだいが近くに居住しているほど,高齢女性はきょうだいと頻繁に会ったり,電話や手紙で連絡を取り合ったりしていた.②高齢女性は最年長の兄または弟が近くに居住しているとき,その兄または弟と頻繁に会っていた.これに対し,高齢女性は兄弟よりも姉妹と電話や手紙で頻繁に連絡を取り合い,兄弟よりも姉妹に情緒的サポートを期待できた.③同居子のいる高齢女性は同居子のいない高齢女性よりもきょうだいと電話や手紙で頻繁に連絡を取り合い,情緒的サポートをきょうだいに期待できた.④きょうだいと頻繁に会ったり,電話や手紙で連絡を取り合ったりしていたのは,社会経済的地位の高い高齢女性であった.