老年社会科学
Online ISSN : 2435-1717
Print ISSN : 0388-2446
原著論文
日本の介護職の連携と職務満足
大平 剛士
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2019 年 40 巻 4 号 p. 375-383

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抄録

 本研究は日本の介護職の連携と職務満足の関係性を解明し,施設介護と訪問介護という提供サービスの違いや,組織内連携や組織間連携という連携の形態の違いが連携と職務満足の関係にどのような影響を与えているのかを資源保存理論とReevesらの専門職連携の分類を基に検証した.平成20年度介護労働実態調査の労働者調査票の18,035人の介護職を対象とした分析結果より,介護職の連携は職務満足を高めていたことと,訪問介護職は組織間連携を施設介護職よりもとれていたことの2点は仮説が支持された結果であった.一方,訪問介護職は組織内連携を施設介護職よりもとれていたことや,介護職の組織内連携や組織間連携が職務満足に与える影響の度合いに関しては,提供サービスによる違いはみられなかったことの2点は仮説とは異なる結果であった.

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© 2019 日本老年社会科学会
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