老年社会科学
Online ISSN : 2435-1717
Print ISSN : 0388-2446
原著論文
認知症高齢者の家族介護者が代理意思決定場面で経験した後悔に関する質的調査研究
―― 後悔を引き起こす要因と後悔に影響する選択の仕方 ――
塩﨑 麻里子佐藤 望増本 康平
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 42 巻 3 号 p. 200-208

詳細
抄録

 本研究の目的は,認知症高齢者の家族の代理意思決定に焦点を当て,①家族の後悔を引き起こす要因と②後悔に影響する選択の仕方を質的調査の結果から,明らかにすることであった.家族介護者11人を対象に,半構造化面接を実施した.質的内容分析によって,後悔を引き起こす要因は,3テーマ(知識の欠如・家族の心理的要因・他家族への影響)の10カテゴリーに分類された.また,後悔に影響する選択の仕方は,9カテゴリーに分類された.得られた結果と後悔に関する研究知見を踏まえて,後悔が生じにくい選択の仕方について考察した.結論として,認知症高齢者家族の代理意思決定において,決めることから逃げない,選択肢をトレードオフで比較しない,正解を選択しようとしない,の3点が重要であることが示唆された.

著者関連情報
© 2020 日本老年社会科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top