本研究の目的は,認知症高齢者の家族の代理意思決定に焦点を当て,①家族の後悔を引き起こす要因と②後悔に影響する選択の仕方を質的調査の結果から,明らかにすることであった.家族介護者11人を対象に,半構造化面接を実施した.質的内容分析によって,後悔を引き起こす要因は,3テーマ(知識の欠如・家族の心理的要因・他家族への影響)の10カテゴリーに分類された.また,後悔に影響する選択の仕方は,9カテゴリーに分類された.得られた結果と後悔に関する研究知見を踏まえて,後悔が生じにくい選択の仕方について考察した.結論として,認知症高齢者家族の代理意思決定において,決めることから逃げない,選択肢をトレードオフで比較しない,正解を選択しようとしない,の3点が重要であることが示唆された.