災害時要配慮高齢者の早期避難は重要な課題であり,状況認識や避難の時間的推移を詳細に把握する必要性が指摘されている.本研究は,防護動機理論を援用し,豪雨災害を実際に経験した要配慮高齢者を対象に,時系列に沿って避難意思等を用いケースを類型化し,避難行動の実態と特徴を身体機能・認知機能の要素を加味し記述することを目的とした.
データは混合研究法の考え方を参考に半構造化面接調査により収集した.倫理的配慮として,調査への参加は任意で協力しなくとも不利益は生じないこと等を説明し同意を得た.
情報入手,脅威評価,対処評価,防護動機を用いクラスター分析し,対象者18人は4つに類型化された.状況を正しく認識し脅威評価と対処評価により防護動機が形成され早期に水平避難したクラスターや,対処評価をもつのみで防護動機を抱けなかったクラスター等が観察され,脅威評価と対処評価をバランスよく保持することが防護動機形成および早期避難につながる可能性が示唆された.