2024 年 46 巻 3 号 p. 245-255
認知症予防は重要な課題である.本研究では,通いの場参加者は非参加者に比べ,認知症の前駆症状である物忘れリスクが低いか,予防に重要な地域組織参加数が多いかを明らかにする.神奈川県松田町の2016・2019年度の介護予防・日常生活圏域ニーズ調査と2017・2018年度の通いの場参加者名簿を結合し,65歳以上の高齢者575人(通いの場参加者:33人)を対象とした.目的変数は2019年度の物忘れ有無,地域組織参加数,説明変数は2017・2018年度の通いの場参加とし,2016年度における8個の交絡要因,物忘れ,地域組織参加数を調整変数とした修正ポアソン回帰分析,線形回帰分析を実施した.その結果,通いの場参加者は非参加者と比較し,物忘れリスクが低く(リスク比0.56),地域組織参加数が多かった(非標準化係数B 0.57).通いの場参加により地域組織参加が促され,物忘れリスクが低下することが示唆された.