宗教研究
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論文〔特集:食と宗教〕
アメリカ仏教会における食文化の変遷
本多 彩
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2016 年 90 巻 2 号 p. 157-182

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抄録

日本人移民の仏教徒、日系アメリカ人仏教徒によるアメリカ本土の仏教会を舞台とした、一世紀以上にわたる食の提供と継承と広がりを論じる。浄土真宗は食の厳格な戒律を持たないが初期真宗の史料には精進料理の記述がある。アメリカの浄土真宗では開教当初から食が登場しており食に関わる女性仏教徒や青年仏教徒の活動があった。宗教儀礼後や仏教会活動や移民社会に提供される食、個人のために作られた食があった。人が結びつくところで食の役割は重要である。定期的に開催される仏教会のバザーの中心は食であり仏教会を財政面から支援してきた。バザーでは日系社会や地域社会に対して食が提供され食が地域密着型アメリカ仏教の展開にも一役買っている。さらに仏教会における日系アメリカ人仏教徒の料理は口頭でそして明文化されて継承されてきた。仏教会では、様々な食事が場や食べる人のことを考えて調理、提供され続け、個人や社会をつなぐ力となっている。

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