本稿では、宗教と経営の関係について宗教経営学の視点から論じる。宗教研究において、「経営」という言葉は奇異なものとしてとらえられやすい。この背景には、二つの要因があると考えられる。ひとつは、経営という言葉が、すぐさま「営利目的」や「利潤追求」といったイメージと結びつきやすいからである。いまひとつは、宗教教団の運営と企業体の経営は、本質的に異なるとの考えによる。しかし、宗教教団と企業体は、ともに人間の行為によって社会的に構築されるものであり、共通の基盤に立って両者を分析すべきである。したがって、宗教研究者は企業研究から知見を得ることができるし、またその逆も可能である。本稿では、最初に宗教経営学の視座について論じる。次いで、思想と経営理念の関係について論じたあと、宗教教団と企業の類似性について考察する。そして最後に、両者の類似性に関わる議論を深めるために、「秘密のマネジメント」について論じる。