2003 年 23 巻 1 号 p. 77-88
従来の病院情報システムのあり方を根本的に見直し,チーム医療を推進する共通メディアとし,かつ患者も医療に参画でき,それがひいては医療の安全,質の確保と合理的病院管理につながる統合病院情報システム《HU-MIND II》を始動させた.
特徴の第一は,すべての医療従事者が同一のツールによって,過程と成果を評価できる共通メディア機能である(“Clinical Management System” (CMS)と称する).第二は,患者も医療に参画できるために,全病床に「患者用端末」を設置,患者は病院生活案内とともに,経過と今後の診療看護の過程情報を易しい操作で参照できることである.患者にも療養における自己責任を果たしてもらえる支援ツールとなり得よう.以上の患者の権利と病院管理の裏打ちとなる利用規定を全面改訂した.規定は21条からなり,患者情報のコントロール権,アクセス権限と責任義務を盛り込んだ.データ主体である患者にも,自らの病状と診療看護内容を知る上での自己責任を説明,理解を求め,患者用「システム利用契約」を結ぶことが特徴である.