宗教研究
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論文
キリスト教と「運命」
プロテスタント神学における『西洋の没落』の残響
小柳 敦史
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2017 年 91 巻 3 号 p. 1-24

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抄録

O・シュペングラーの『西洋の没落』は第一次世界大戦後のベストセラーとなり、当時のプロテスタント神学も対峙せざるを得ないものであった。本稿では、『西洋の没落』が当時のプロテスタント神学にとってどのような事件であったのかを明らかにしたい。まず、雑誌『キリスト教世界』でなされた議論をたどり、『西洋の没落』に対する神学者たちの反応の見取り図を手に入れる。その上で、一九二〇年代のW・エーレルト、E・ヒルシュ、K・ハイムの著作における「運命(Schicksal)」の概念について検討する。「運命」の概念は『西洋の没落』の歴史理解を支える概念であるのみならず、同時代の神学における論争概念となっていたのである。最後に、プロテスタント神学の外からの視点としてユダヤ系の言語学者H・ヤーコプゾーンの問題提起をもとに、「運命」についての当時の議論が帯びていた問題を検討する。

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