レギュラトリーサイエンス学会誌
Online ISSN : 2189-0447
Print ISSN : 2185-7113
ISSN-L : 2185-7113
シリーズ(医薬品・医療機器評価をめぐる最近の話題)
プログラム医療機器の実用化促進に向けた薬事規制などの改革について
福田 悠平
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 12 巻 1 号 p. 99-105

詳細
抄録

近年,AIを活用した画像診断支援システムや患者がスマートフォンにインストールして使用する治療用アプリなど,さまざまなプログラム医療機器が開発・実用化されており,新たな診断・治療の選択肢として期待されている.2013年の医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)の改正により,単体プログラムが医療機器の範囲に含まれることが明確化されて以降,プログラム医療機器の承認件数は増え続けている.加えて,「経済財政運営と改革の基本方針2021」(2021年6月18日閣議決定)および「成長戦略実行計画」(2021年6月18日閣議決定)においても,プログラム医療機器の開発・実用化を促進するため,承認審査の迅速化を図ることとされた.このような背景を踏まえ,厚生労働省では,2020年11月に「プログラム医療機器実用化促進パッケージ戦略」(通称:DASH for SaMD,DX(Digital Transformation)Action Strategies in Healthcare for SaMD(Software as a Medical Device))を公表した.DASH for SaMDは,①萌芽的シーズの早期把握と審査の考え方の公表,②相談窓口の一元化,③プログラム医療機器の特性を踏まえた審査制度の創設,④早期実用化のための審査体制強化等の4つの柱からなる.このうち,②と④については,2021年4月までにすでに対応しており,①と③については,今後対応していく予定である.

著者関連情報
© 2022 一般社団法人レギュラトリーサイエンス学会
前の記事 次の記事
feedback
Top