レギュラトリーサイエンス学会誌
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国際共同臨床試験への日本の参加状況:大手外資系製薬企業による試験の分析
成川 衛小林 江梨子
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2022 年 12 巻 3 号 p. 271-276

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抄録

新薬の国際的な開発戦略に与える近年の薬価制度改革などの影響をより早期に捉えることを目的に,臨床試験の登録情報(ClinicalTrials.gov)にもとづいて,大手外資系製薬企業による国際共同臨床試験への日本の参加状況を調査分析した.大手外資系製薬企業が行う国際共同試験は,調査開始年である2008年以降,ほぼ一定の数で推移してきており,その中で,日本が参加する国際共同試験は,過去10年余の間に数・割合ともに着実に増加した.2021年開始の試験では日本の参加割合が若干低下しているようにもみえることから,これが一時的な現象であるのか継続的な調査が必要である.外資系製薬企業が行う国際共同臨床試験への日本の参加状況は,グローバルな医薬品開発の中での日本のポジションや投資順位の変化を表す適切な指標のひとつになると考えられ,今後も調査・分析を継続していく必要がある.

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© 2022 一般社団法人レギュラトリーサイエンス学会
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