2025 年 15 巻 1 号 p. 63-67
連続生産は,医薬品の安定供給に寄与する革新的な製造技術として注目を集めており,連続生産を適用するにあたって,国際的に調和されたガイドラインの作成が望まれていた.その中で,2018年にICHは医薬品の連続生産に関するトピックを採択し,2023年5月に「原薬及び製剤の連続生産に関するガイドライン」(Q13)が施行された.ICH Q13ガイドラインは,化学合成医薬品およびタンパク質医薬品の原薬および製剤のいずれにも適用される.ガイドラインは,本文と付録から構成されており,本文では,連続生産の適用に関する基本的な考え方および留意すべき事項が記載されている.付録は,説明用の例や特定のモダリティに特徴的な考慮すべき点が記載されている.本稿では,ICH Q13ガイドラインに記載されている基本的な考え方(科学的アプローチおよび規制上の考慮すべき点)やガイドライン作成の経緯に言及した上で,当該ガイドラインの概要を説明する.