レギュラトリーサイエンス学会誌
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原著
Analysis of Sample Size Allocation to Japan and Primary Endpoint in Confirmatory Multiregional Clinical Trials for Oncology Drug Development
Ayumi HASEGAWAShoji SERANaomi NAGAI
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2026 年 16 巻 1 号 p. 5-20

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抄録

 本研究では,がん領域の検証的国際共同治験(MRCT)において,日本人患者のサンプルサイズおよび全体集団と日本人集団の主要評価項目の結果に影響を与える要因を検討した.ICH E17ガイドライン施行後に本邦承認品目における117件のMRCTを分析した結果,日本人患者の平均割合は11.6%であり,希少疾病用医薬品の指定と参加国数がこの割合に有意な影響を与えていた.主要評価項目において同様の傾向が確認された試験では,全体のサンプルサイズが平均757.5例,日本人の割合は10.9%であり,全体の症例数が少なく,日本人の割合が多い傾向が認められた.同様の傾向が確認されなかった試験では,内的一貫性および外的一貫性の評価や薬物動態や他のがん種での情報を含む総合的な評価が実施されていた.また,MRCT参加前に収集された情報から,薬物動態の民族差を認めたケースは非常に少数であり,MRCTの計画に影響するものではなかった.本研究は,ICHE17施行後の日本における承認審査を踏まえ,全体集団と日本人集団の主要評価項目の結果に関して詳細な分析を行った.MRCT開始前の日本人データの要否や製造販売後の計画を含めたライフサイクル全体を見据えた柔軟かつ包括的な評価手法の重要性が確認された.これらの知見は,特に希少疾患や小児疾患を中心に今後の臨床開発に有用であると考える.

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