レギュラトリーサイエンス学会誌
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特集(リアルワールドデータの活用と課題について)
リアルワールドデータの特徴とその利用
林 邦彦
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2017 年 7 巻 3 号 p. 197-203

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抄録

従来から, 治療法の評価では, ランダム化比較試験 (RCT) が最も適切な研究デザインとして用いられてきた. しかしながら, 難病, 希少疾患, 医療機器, 手術などの領域では, 疾患の重篤性や対象患者数の限界のために, 通常のRCTによる治療法開発が困難なことが多い. また, すでに社会で広く使用されている治療法についてRCTを実施すると, 研究対象集団が偏り, 結果の一般化が困難な外的妥当性に劣る研究となってしまうこともある. そこで, RCTの反対命題として, リアルワールドデータを用いた研究の重要性が再認識されている. 治療法開発においてリアルワールドデータの特徴と利用の注意点とともに, RCTとリアルワールドデータ研究との統合命題的な新たな研究デザインについても述べる.

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© 2017 一般社団法人レギュラトリーサイエンス学会
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