2018 年 8 巻 2 号 p. 109-114
末梢血血小板は輸血や組織修復に医療応用されている. しかし, 末梢血血小板は採取量に限りがあることから, ドナーに依存せず安定的に大量製造し医療応用に用いたいという試みが注目されている. その背景のなかで, 筆者らは皮下脂肪組織に存在する間葉系幹細胞/間質細胞 (ASC) から巨核球・血小板分化に至ることを見いだした. ASCは遺伝子導入不要, 組み換えサイトカインの添加不要で血小板に分化でき, その血小板を医療応用に用いることに優位性を有していることが示されている.