1974 年 13 巻 2 号 p. 79-85
農薬パプチオンの製造工程から出る排水を処理して得られたタールを.貯槽に保管中,突然分解が起こり,悪臭ガスが噴出して工場外へ流出する事故が起こった.この原因を詳細に解析し次の三つの要因が重なったため,事故となったことを明らかにするとともに悪臭ガスの生成機構を明らかにした.
i) タールは約80℃で水と発熱分解反応を起す性質を持っていた.
ⅱ) タールを保温中,保温用温水が90℃付近に上昇し,タールを局部的に約80℃に加熱した可能性があつた.
ⅲ) 貯槽が断熱状態になっていたため,内部で発生した分解熱が放熱されることなく内部に蓄積し, 分解反応をますます促進し,ついに予期せざる急激異状な分解となり,単位時間当たりの発生ガス量が,除害塔への吸引熊力を上回った.