1974 年 13 巻 4 号 p. 227-234
ワイヤロープの寿命,安全率,劣化による強度低下などには多くの研究があるが,現場ではその結果がまだ十分に活用されていない.ワイヤロープの切断事故は,機械の設計不良,安全装置の不良,運転操作のミス,玉掛作業の不良,劣化に対する点検不良,索端加工の不良,ワイヤロープ自身の欠陥などの諸要因が,多くの場合重複した結果発生している.そこで,昭和48年中に報告されたクレーン関係のワイヤロ一プ切断事故の中から,16件の事例を選んでその原因を検討し,今後の災害防止のための資料とする.