1979 年 18 巻 6 号 p. 306-314
安全人間工学とは何かについて日本人間工学会・専門部会の考え方を述べ,その主対象とする自動化システムがオペレータに与えるプラス面とマイナス面を挙げて,人間因子にかかわる安全問題の大部分はこのマイナス要因に基づくと指摘した.また人的エラーや操作ミスは人間特性の弱点や限界から生起するが,それを事故につなげるには内的な主体的条件(生理的には大脳の活動フェーズ)と外的な背後要因(四つのM)との偶発的な結合が必要であり,両者の連繋を断つ方向で安全工学と人間工学は提携したい と提言した.