1980 年 19 巻 2 号 p. 99-105
1979年3月28日,米国ペンシルバニア州のスリーマイル原子力発電所2号炉で発生した事故の概要および米国大統領の命令により設置されたTMI事故調査特別委員会の最終報告書の概要紹介である.この事故は原子力発電史上最悪のものと言われ,世界の原子力關発に少なからぬ影響を与えている.特別委員会の結論は,原子力発電所の許認可停止には至らなかったものの,原子力規制委員会(NRC) の全面改組など原子力行政に対して根本的な変革を要求しており,米国内外に与える影響は大きいものがある.