1981 年 20 巻 1 号 p. 30-34
空気やガス中の水銀蒸気をできるだけ完全に気体より分離捕集できる除去技術の確立を目的として,水銀蒸気に対し吸着容量の大きな個体吸着剤の探索の実験を行なった.すなわち,固体吸着剤単独(8種類)及びこれに反応試薬を吸着させて乾燥して得た吸着剤20種類について,水銀を含む空気の流れを作り,吸着による分離除去の実験を行なった結果,三酸化クロム添加シリカアルミナ系吸着剤,塩化第二銅添加シリカ系吸着剤が最も勝れていた.吸着剤単体の中ではやし殻活性炭が最も勝れた成績を示した.これらは液体吸収法などより,はるかに除去率が高いので,安全工学上,水銀の有効な除去剤であるとの意義を得た.