塩索化芳香族アミン類を蒸留などの目的で加熱すると,これらは必然的に多少とも分解して塩化水素を遊離する性質をもっている.このときあらかじめ適切な対策を取っておかず,かついくつかの要因がたまたま重なることがあると,究極において爆発的に発生するHC1ガスのために装置内の圧力が高まり,蒸留槽の破裂事故や塩素系内容物の噴出による環境汚染事故などを招来することがある.この種の事故は従来諸外国において経験されてきているが,国内においてもそれらの原因究明が比較酌詳細に行われたケースが2例存在しており,その結果,同種蒸留工程にも共通するであろうと考えられるいくつかの問題点が 明らかにされているので紹介したいと思う.