1982 年 21 巻 6 号 p. 328-344
地震は地球内部に発生する断層運動に伴うものであり,繰返し同じ場所に発生するというのが,現在の地震学の基調になっている.この観点に立てば,過去に地震におそわれた場所は,いっの日にか再び地震におそわれることになる、したがって,過去の地震活動を知る乙とは将来の活動を予測する上で重要な情 報となる, 小文では,歴史地震の史料にも基づき,本邦太平洋沖に発生する大地震の発生様式についてのべ,繰返しの期間が1000年ともいわれている内陸の地震については,活断層の発掘を通じて,歴史地震よりさらにさかのぼった過去の地震活動を知ろうとする最近の研究にもふれつつ,日本の地震活動の一端を概観した.