1982 年 21 巻 6 号 p. 387-393
昭和56年10月に通産省は告示515にて“高圧ガス設備等耐震設計基準”を発刊して高圧ガス施設の 塔および貯槽の耐震設計を規定した.同基準において,基礎を固定とした平底円筒貯槽の耐震設計の手法 がかなり陽に示されている. 他方,自治省においても危険物施設である平底円筒油貯槽の耐震設計の規定を昭和58年3月を目処に改定する準備を集めている.一般に平底円筒油貯槽は平底円筒高圧ガス貯槽と異なりアンカーがない.そのために,地震時に平底円筒油貯槽の底板が基礎から浮き上がる現象を呈する場合もあり得る.本稿では通産省告示515に示されている基礎を固定とした場合の耐震設計の手法を概説した後,貯槽の浮き上がり 現象について述べることとする.