安全工学
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環境問題特集
有機スズ化合物による環境汚染
荒井 真一
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1988 年 27 巻 6 号 p. 380-386

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抄録

 有機金属化合物の一種である有機スズ化合物は,塩化ピニJレ樹脂の安定化剤などとして広く利用されているが,なかでもトリプチルスズ化合物は生物に対する活性があるため,船底用の防汚塗料や,漁網防汚剤として使用されている.近年, トリプチノレスズ化合物による環境汚染が国際的に注目され,環境庁では魚介類などの調査を行っている.その結果,現在の汚染レベルがただちに危険な状態にあるとは考えられないが,今後とも環境汚染の状況を監視していくことが必要であると評価されている.環境汚染対策として,法律的な規制の一部導入や養殖用の漁網防汚剤の自主的な使用禁止が行われている.さらに,現在,毒性や汚染実態などの調査が実施されており,今後,その結果により必要な対策がなされることとなっている.

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© 1988 特定非営利活動法人 安全工学会
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