1993 年 32 巻 3 号 p. 160-163
ブレーキ液が漏出するというリコールが多いので,国内乗用車メーカーのブレーキ液を用いて含水率と引火点および発火点の関係を調べた.その結果,クリーブランド解放式試験器によって測定した引火点は120~142℃で,含水率が大きくなるにしたがって上昇する傾向がみられる.また,ASTM-E659によって測定した発火点は204~213。Cで,水分の影響をあまり受けていないが,排気マニホールドや排気管などの表面温度よりもかなり低い.漏出したブレーキ液が発火する場合の条件は高温物体の温度だけでなく,ブレーキ液の量も影響していると考えられるので,実状に即した測定を行う必要がある.