安全工学
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総説
医療職員の安全管理と細胞毒性薬剤
白戸 四郎
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1998 年 37 巻 6 号 p. 417-424

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抄録

日本で体系的に取り上げられることのほとんどなかった「医療職員の安全管理」についてアメリカのガイドラインを紹介し,具体的事例として抗悪性腫瘍剤(細胞毒性薬剤)の問題を解説した。抗悪性腫瘍剤は絶望のさなかへの一筋の光として期待されることが少なくないが,反面取り扱う人の被曝という深刻な問題を内包しており,欧米では職域ごとに詳細なガイドラインを作成し,官民の協力で対応している.本稿では医療職員が知識不足のために被曝しないよう,被曝防止の方法を設備的対応を含めて解説した.癌化学療法は欧米では病院から在宅医療へと急速に移行しっつあり,それに伴う環境汚染も憂慮されている.生物存続の設計図であるDNAを傷害する物質としての細胞毒性薬剤を正しく認識し,当事者自身の安全と地球環境の保全を追求することは今日の緊急的課題といえよう.

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© 1998 特定非営利活動法人 安全工学会
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