2000 年 39 巻 4 号 p. 234-246
コンクリート構造物は,適切に設計・施工をされたものであれば,他の建設材料を用いたものに比較して十分な耐久性を有していると考えられる.しかし,近年,トンネルコンクリートの崩落や補強鉄筋の発錆が相次ぎ,コンクリート構造物の耐久性が問題になるとともに,その安全性までもが問題となっ ている. 本稿では,本来,耐久的なコンクリート構造物が,特殊環境で生じる経年劣化機構にっいて概説するとともに,施工に伴うコンクリートの初期欠陥がこれを助長する機構を説明している.また,これらの初期欠陥や劣化機構から山陽新幹線の福岡トンネルおよび北九州トンネルにおける覆工コンクリートの崩落状況とその原因についての私見を述べ,今後のコンクリート構造物の施工に対する要望についてと りまとめる.