2004 年 43 巻 2 号 p. 82-88
労働災害の中でも建設労働災害が占める割合は依然として高く,とりわけ建設機械が関連する災害は重大な結果につながりやすい.掘削機による災害の中には,オペレータから明らかに視認できる位置にいたはずの周辺作業者が被災するケースも少なくない.こうした災害が発生する背景を探るため掘削機シミュレータを利用した実験を行い,オペレータは掘削機の操作中にどの様な対象を注視しているか,どの様な要因が周辺視パフォーマンスに影響するのかについて検討した.また,実験・研究といった用途以外にもさまざまな分野での応用が期待されるシミュレータであるが,その活用にあたっての方法論に関しては解決すべき課題も数多い.ここでは,労働災害防止を目的とした教育・訓練ツールとしてシミュレーションを活用する際の今後の課題について考察する.