安全工学
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論文
煙火薬製造工程における静電気危険性
-帯電量測定および着火性放電に関する一考察
山隈 瑞樹荒井 充畑中 修二細谷 文夫飯田 光明小勝 一弘
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キーワード: 煙火, 花火, 静電気, 放電, 爆発
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2005 年 44 巻 3 号 p. 165-173

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抄録

煙火薬製造における静電気危険性を把握するために,主要な工程を対象に帯電量の測定等を行った.その結果,ふるい分け作業において原料粉体が強く帯電することが判明した.硫黄の帯電量は際だって大きく,過塩素酸カリウムおよびアルミニウムはほぼ同等の帯電量であった.作業者が帯電防止をしていない場合には,2 kg のアルミニウム粉体のふるい分け作業によって最大15 kV に帯電した.小分け作業においては,アルミニウムをポリエチレン製スコップで取り扱った際に大きく帯電した.帯電した煙火粉体を絶縁性容器に入れた場合には,接地導体を接近させると粉体表面との間で着火性のある静電スパークが観測された.通常の作業条件においては,3 10 kg 程度の雷薬をふるい分けて絶縁性容器に入れると,これに着火可能な放電が発生すると見込まれた.

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© 2005 特定非営利活動法人 安全工学会
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