水素ステーションでの漏洩事故として,口径0.25 mmφ~2 mmφのピンホールからの定常漏洩と,口径10 mmφの配管破断による非定常大漏洩の二つの代表的なシナリオを取り上げ,40 MPa 高圧水素ガスの開放空間での拡散特性を野外実験により調査した.この結果,定常漏洩においては,等価口径を用いて,無次元化された距離と濃度の関係から,理論流量における可燃下限界濃度の発生距離を求めることができる事を示した.また,非定常大漏洩では,濃度センサの応答遅れの問題があることから,新たに開発した濃度変動計測装置を適用し空間的な濃度分布の時間変化をとらえることができた.両漏洩形態ともに,運動量の影響が極めて強く,可燃下限界濃度以上の拡散領域では,ほとんど浮力の影響を受けないことがわかった.