抄録
目的 市町村が行う基本健康診査にひきつづいて行われる事後措置の実施と健診結果の経年的データの利用との関連について明らかにする。
対象と方法 全国3,255市町村における老人保健事業担当課に対して老人保健法で定められた保健事業の実績等についての質問紙調査を1999年 1 月に実施した。有効回答があった市町村は,2,447(回収率75.2%)であった。事後措置に関する質問項目は,要医療の者に対する「受診勧奨(必要な者全員)」,および「全員の受診確認」,要精検の者に対する「受検勧奨(必要な者全員)」,および「全員の受検確認」,生活習慣改善指導の対象者に対する「個別健康相談」,および「訪問指導」,要指導の者に対する「個別健康相談」,および「訪問指導」であった。それぞれの事後措置について,健診結果の経年的データの利用,および人口当たり保健師数との関連について分析を行った。
結果 要医療の者,要精検の者,生活習慣改善指導の対象者,および要指導の者に対する事後措置を実施している割合は,市町村の人口規模にかかわらず,経年的データの利用,および人口当たりの保健師数と関連がみられた。また,経年的データを利用している市町村の割合は,健診方式と有意な関連があり,「医療機関における個別健診」で最も小さく,「集団健診」で最も大きかった。
結論 基本健康診査の結果にもとづいた事後措置の実施は,健診結果についての経年的データの利用,および市町村における人口当たり保健師数と有意な関連がみられた。