化学会社の生産現場で長年働いてきた人ならだれしも,もしかしたら大災害になっただろうと思われるトラブルに遭遇した経験がある.しかしながら,大部分のトラブルは見過ごされても問題にならなかったか,すぐに処置されて問題とならなかったケースである.危険物の扱い量が多い化学分野の事故は小さなトラブルが悪くすると大きな災害を引き起こすことが特徴である.すなわち,小さなトラブルのうちに対処し災害を防ぐことが重要である.ここでは生産現場での教育訓練の紹介と,安全性評価の事例,危険なこと異常なことへの対応の改善事例を紹介する.