安全工学
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論文
橋桁工事における仮設構造物の安定性と残留変形の関係
─数値解析による検討
高橋 弘樹・大幢 勝利・高梨 成次
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2008 年 47 巻 4 号 p. 210-217

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抄録

橋梁工事において,橋桁の仮受け台として,サンドルと呼ばれる仮設構造物が使用される場合が多い.サンドルは,高さと幅が150 mm のH 形鋼に鋼製の材を部分的に溶接して補強した部材を,井桁状に組み上げて使われている.サンドルには,橋桁の自重などにより鉛直方向の荷重が作用するが,荷重を除去した後もH 形鋼部材に変形が残ることもある.この変形は残留変形と呼ばれているが,サンドルは繰り返し使用されることが多く,中には残留変形のあるH 形鋼部材が使われることもある.しかし,研究データが少ないため,残留変形のあるH 形鋼部材がサンドルの安定性に及ぼす影響は不明である.一方で,過去には,橋桁工事中にサンドルが崩れ15 名が死亡するという事故も発生している.このため,サンドルの安定性に関する解明が急務であると考える. そこで本研究では,サンドルの性能を確かめる基礎的な研究として,H 形鋼部材の残留変形がサンドルの安定性に及ぼす影響を数値解析によって検証した.そしてこれらの結果から,H 形鋼部材の残留変形に対する管理基準値を提案した.

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