2013 年 52 巻 4 号 p. 249-255
近年深刻化している地球温暖化や石油枯渇などの環境・資源エネルギー問題に対応しつつ,持続的な発展を可能にするためには,石油に依存した現在の社会構造を転換し,再生可能なバイオマス資源からエネルギーやプラスチック,繊維などの化学品を生み出すバイオリファイナリー社会を構築することが必要である.バイオエタノールやバイオディーゼルについてはすでに有名であるが,近年の代謝工学の発達により,トウモロコシなどのバイオマスを原料としてプラスチック原料などを製造できる発酵プロセスも現実のものとして実用化されてきている.本稿では,これらバイオマスからのモノづくりの現状を紹介するとともに,微生物を利用した燃料・化学品生産の研究例について,バルクケミカル(基礎化学品)等の製造プロセスに適していると目される酵母を題材として解説する.