事故による子どもの傷害は多発しており,重要な健康問題となっている.子どもが事故に遭遇しやすい理由は「発達」するからである.昨日まで寝返りできなかった子どもが,今日,寝返りをしてベッドから落ちてしまう.子どもの事故は,何歳になったら,どんな事故が起こるかはわかっており,多くの場合,どうしたら予防できるかもわかっている.傷害予防に取り組む場合は,重症度や発生頻度が高く,増加している事故について優先的に取り組む必要がある.予防するためには,傷害が発生した状況や製品・環境の詳しい情報が不可欠であり,また,いろいろな職種の専門家が連携する必要がある.傷害が起こった時の情報を,「変えたいもの」「変えられないもの」「変えられるもの」の3 つに分け,「変えられるものを見つけ,変えられるものを変える」ことが予防なのである.