安全工学
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技術ノート
京都大学における事故情報の収集と形態素分析の試み
松井 康人長野 有希子橋本 訓吉崎 武尚
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2019 年 58 巻 5 号 p. 337-344

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抄録

国立大学の法人化に契機として,京都大学では安全管理の強化が行われた.2010 年以降に発生した約 1 900 件の事故情報を対象としてリスクを定量的に評価するために,アンケートのパラメータ間の比較と自由記述部の自然言語処理を用いた分析を実施した.分類毎の事故の報告数では,針刺し,転倒,交通事故,体液曝露,切れ・こすれの合計が,総報告数の7 割近くを占めていた.発生月は6 月が最大であり, 11 月も多い二峰性を示していた.自然言語処理では,車道から歩道に移動する際の自転車による転倒など,分類調査だけでは分からなかった傾向を,ベクトル俯瞰図から得た.またこれらの転倒は,接触型とスリップ型に分類でき,それぞれの要因についても明らかにした.

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© 2019 特定非営利活動法人 安全工学会
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