2019 年 58 巻 5 号 p. 345-349
経済産業省では,消費生活用製品安全法に基づき,平成19 年度から重大製品事故として事業者から報告された事故の事故原因調査に取り組んでおり,調査の結果,製品に問題があり,事故の再発が予見される場合は,事業者にリコールの実施を指導してきている.リコールについては,消費生活用製品安全法による強制的な命令によるものもあるが,その多くは事業者の自主的な判断によるものであり,経済産業省としても,事業者の自主的なリコールの実施を促すように,リコール実施のガイダンスとなるリコールハンドブックや経済産業省のWebsite で実施中のリコールの公表をするなど取り組んできたところである.この10 数年間を経て,リコールは着実に企業の活動の一環として普及しつつある.一方,リコール実施上の問題点や,経済産業省の事故原因調査からリコールの指導につなげるという一連の活動についても,課題が出てきており,今後も事業者が主体的にリコールを実施していくために様々なリコールの課題と解決に向けた取り組みについて平成30 年11 月から令和元年5 月まで検討会を開催し,とりまとめを行った1).