情報技術の進展に伴い,事故の影響や化学物質の環境拡散のシミュレーションが,PC レベルで身近にでき,ソフトウェアーもインターネットの環境から,誰でも簡便に(中には無料で)入手できる状況が訪れている. 一方リスクの概念及びリスクアセスメントを軸に,安全を追求する方向性が強まっており,その緻密化,厳密化,定量化が求められている. また,産業界と社会,工場と周辺住民などの立場の異なる関係人どうしに,リスクの正しい,事実に基づいた,理論に基づいた,「把握」や「共有」が,アセスメントやコミュニケーションの基盤として求められている. これらを深耕強化する,便利なツールとして,PC レベルのシミュレーション技術が注目されている.本研究ではMETI-LIS1)に注目し,キシレンの放出リスクの長期評価を通じて,リスクアセスメントやリスクコミュニケーションへの在り方を検討した. さらに他の事例を交え,METI-LIS に於ける建物の影響を検証し,大気安定度の影響など,ガスの拡散現象について,短期評価の場合を取り上げた.これらを通じていくつかの課題を提起した.