航空機の整備作業においては,人的過誤を発生させない戦略が求められる.個人ばかりでなく,人を含むシステムをシステムの一要素とみるシステム的視点から,人的過誤発生に係わる様々な要因を改善する使命を持った組織の役割も大切となる. 本研究では,ASRS に収録された航空機整備における人的過誤データを,自己回帰を始めとした時系列分析とテキストマイニング手法の組み合わせにより,安全運航優先を現業部門で実践させる会社方針の役割と人的過誤発生の動的関係の検証を行った.結果,会社方針の劣化や改善は,15 ヶ月の期間にわたり,人的過誤発生に影響を及ぼしていることが示された.また,影響による人的過誤の特徴や作業者の安全意識も見出した