安全工学
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論文
リスクアセスメント及び労働災害防止の安全対策に関する考察 ―最新の安全対策実施の背景要因―
渡辺 純哉
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2021 年 60 巻 5 号 p. 366-374

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抄録

リスクアセスメントを実施することにより職場の潜在的な危険性や有害性を見つけ出し,事前に的確な対策を講ずることは,従来の発生した労働災害の原因調査に基づく労働災害防止対策とは異なり望ましい1).リスクアセスメントの実施内容を定めた指針もある2).本稿では,厚生労働省「老朽化した生産設備における安全対策の調査分析事業」報告書3)~6)の解析データを用いて,過去に発生した「はさまれ,巻き込まれ」労働災害の状況と現状のリスクアセスメントの実施状況や見直しのタイミング,OSHMS の導入状況,安全対策の実施状況などに着目して,俯瞰的に多変量解析を実施した.その結果,事業者が死亡災害などの重大な労働災害を経験したことと最新の安全対策を実施したことに相関性があり,安全対策実施の背景要因となっていると考えられる解析結果を得た.

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