人と,ロボットなどの機械とが直接接触した際における重篤度の比較的低い痛みや内出血といった軽度な皮膚傷害の耐性値に着目した計測方法の国際標準化に向けて取り組んでいる.筆者らはこれまで,痛みまでを評価できる人体の構造を模したダミーを開発し,準静的速度での接触時における人体に近い生体再現性を有することを示してきた.さらに,痛みだけでなく,軽度な傷害が発生するレベルの機械的な刺激に対する安全評価を目指している.近年,軽度な皮膚傷害耐性を評価するダミーとして,より重要となる動的速度での接触時においても生体再現性を有することを示すことができた.現在,本ダミー技術の普及に向け,高い生体再現性を有したまま簡易化した評価器の構成についても提案しており,これらの活動内容について紹介する.