安全工学
Online ISSN : 2424-0656
Print ISSN : 0570-4480
ISSN-L : 0570-4480
論文
機能安全を踏まえた精緻な判定による非危険区域の確保
大塚 輝人持田 智古谷 隆志
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 61 巻 3 号 p. 201-208

詳細
抄録

前報で可燃性物質を扱う環境下での爆発性雰囲気生成の度合いを,保護方策のダウンタイムとして捉える手法を提案した.本報ではその考え方に基づき,放出抑制保護方策を加えて危険区域の判定に必要な放出等級との対応を検討した.高希釈度・換気有効度可の時,連続等級でゾーン2,第2 等級で非危険区域となるが,放出時間に100 倍超の差があることから,ゾーン2 の100 分の1 未満として非危険区域と考えられる爆発性雰囲気の年間存在時間を0.1 時間未満とすることで整合することが分かった.放出抑制保護方策と希釈保護方策との組み合わせにより,爆発性雰囲気の存在する時間の現実的な低減方策を提案し,非危険区域を確保する手順を示した.この時の低減率はIEC TS 60079-42 のリスク緩和係数と合致する. さらにインターロックとの組み合わせにより,機能安全のレベルについて考察した.

著者関連情報
© 2022 特定非営利活動法人 安全工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top