2024 年 10 巻 1 号 p. 1-10
〔目的〕慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者を対象に健康関連QOL(HRQOL)の評価で 利用されるセントジョージの呼吸器アンケート(SGRQ)の総スコアおよび下位項目に関係す る因子を検討した。〔対象〕安定期COPD 患者90名(74±10歳,男性91.2%)とした。〔方法〕 基本情報,SGRQ,呼吸機能,呼吸筋力,身体機能を評価した。SGRQ の総スコアおよび下位 項目と各測定項目の関連をPearson の相関分析で検討した。SGRQ の「総スコア」「症状」 「活動」「衝撃」を従属変数とした重回帰分析を行った。〔結果〕「総スコア」には漸増シャトル ウォーキングテスト(ISWT)[標準化係数b:-0.63(-0.09〜-0.03)]が,「活動」はISWT [-0.77(-0.13〜-0.06)]が,「衝撃」はISWT[-0.47(-0.08〜-0.02)]が関係した。〔結論〕 COPD 患者のSGRQ の「総スコア」「活動」「衝撃」には,運動耐容能の指標であるISWT が 関係することが明らかになった。