2024 年 10 巻 1 号 p. 11-18
〔目的〕若年者の下肢前方リーチ距離とアーチ高率の関係を検討した。〔対象〕対象は,健常若年者67名(19± 1 歳,男性64%)とした。〔方法〕基本情報は性別,年齢,身長,体重,body mass index を記録した。また,身体機能は,下肢前方リーチ距離,アーチ高率,握力,膝伸展筋力,足指把持力,閉眼片脚立ち時間を測定した。各測定項目の相関をPearson の相関分析で検討し,次に,下肢前方リーチ距離を従属変数とした重回帰分析を行った。〔結果〕下肢前方リーチ距離と有意な相関を認めたのは,アーチ高率(右:r=0.49,左:r=0.56)と閉眼片脚立ち時間(右r=0.26,左:r=0.20)であった。また重回帰分析の結果,下肢前方リーチ距離にはアーチ高率が関係していた(右:標準化偏回帰係数=0.47,左:標準化偏回帰係数=0.49)。〔結語〕アーチ高率が高いと下肢前方リーチ距離が長い可能性が示唆された。